実務研修「文章の磨き方」では、グループワークを始める前に
班ごとに自己紹介をしてもらっています。
ある班に、緊張してガチガチになりながら話す保育士の女性がいました。
3歳児クラスを担当しており、自我が芽生える時期なのでやりがいがあります。
にこやかに頷きながら聞いてくれる班の皆さんでしたが
実はこの自己紹介文、主語がコロコロと変わっています。
文章を分解してみましょう。
・3歳児クラスを担当している(主語:私)
・自我が芽生える時期である (主語:3歳児)
・やりがいがある (主語:私)
いかがでしょうか?
話し言葉では気にならないかもしれませんが、活字にした途端に
違和感が出てきてしまいますよね。
一文の中に、省略されている主語が三つもあり
その主語がコロコロと変わっていることがわかります。
このような文章は、職場でもよく見かけますが、誰かが指摘することもなく
そのままになっているケースが多いのではないでしょうか。
次のように、”一文一意 ” で書くことにより改善されますので
ぜひお試しいただきたいと思います。
・私は保育園で3歳児を担当しています。
・3歳児は自我が芽生える時期です。
・だから、私はとてもやりがいがあります。
一文一意は、「やさしい日本語」のキホンの「キ」。
子どもや外国人住民にも正しく伝わるように
わかりやすい文章を書きたいものですね。