読み手によって解釈が分かれたり
テンポよく読めない文章を書いていませんか?
読み手にストレスを与えるだけでなく、信頼を損なうことにも
なりかねませんので、注意する必要があります。
次の2つの文を比べてみましょう。
① 仕事と昇任試験の勉強で毎日が忙しい。
② 資格試験や昇任試験の勉強で毎日が忙しい。
これらは「仕事と昇任試験」「資格試験や昇任試験」という並列表記ですが
①では、「昇任試験」だけが「勉強」に係り
②では、「資格試験」と「昇任試験」のどちらも「勉強」に係るという
読み方をする人が多いのではないでしょうか。
文の構造は全く同じなのに、無意識に書き手の意図を忖度して
読み手の解釈が働くこととなり、この違いは自然に生じます。
そして、この違いこそが読み手のストレスの「元凶」となってしまうのです。
私はこれを “「と・や」の落とし穴” と呼んでいます。
読み手にテンポよく読んでもらうための ”一工夫” として実践してほしいのは
「と・や」で並列表記をする際に「長い言葉を前に置く」ということです。
① 昇任試験の勉強と仕事で毎日が忙しい。
このようにすれば、「仕事の勉強って何?」という余計な神経を使わせずに
さらりと読んでもらえるようになり、正しく伝わるわかりやすい文章に変身します。
文章に潜んでいる “「と・や」の落とし穴” に細心の注意を払い
ぜひ「書ける人」になっていただきたいと思います。
【おまけ】
昇任試験の論文を採点していると、誤字脱字の多さに辟易させられます。
例えば、「元凶」と書くべきなのに「原凶」や「現凶」などと書いてみたり
「細心の注意を払う」とすべきところを「最新の注意を払う」などと書く人が
少なくありません。
試験会場は独特の雰囲気なので、極度の緊張状態にあるのは理解できますが
残念ながら、誤字脱字は減点対象となってしまいますので
受験者の皆さんは「細心」の注意を払いましょう。